私が障がい者のグループホームを開設すると決めたのは、不動産会社で営業の仕事をしていたとき、一人のお客様と出会ったのがきっかけです。
そのお客様は、土地をお探しでご来店されます。
お話を伺うと、障がい者のグループホームをやりたい、とのこと。
というのも、自分の子供さんに障がいがあり、自分が生きているうちは自分が面倒を見るので大丈夫。
でも、自分が死んだ後に、自分の子供の面倒を見てくれる人がいない。
だから、自分が生きているうちに、面倒を見てもらえる居場所を、自分で作りたい。
そんなお客様の思いに心を打たれ、ぜひとも協力したいと思いましたが、当時の私に出来ることといえば、物件をご紹介することだけ。
しばらくすると、そのお客様から、今回は断念するとの連絡が入ります。
ハードルが高すぎて、自分にはクリアできない、と涙ながらに語ってくれた姿が今でも忘れられません。
しかも、物件を掃海することしかできず、相談やアドバイスはもちろん、話の聞き役すら出来ない自分の無力さを痛感しました。
この出来事から20年。
血縁でもない。
知人の紹介でもない。
見ず知らずのたった一人のお客様の思いから、この法人が生まれました。
私たちは、親御さんが生きていても、例え亡くなったとしても、安心して暮らすことのできる環境を提供させて頂きます。
0コメント